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学校給食調理の民間委託はムダの削減にならない

2013-09-28

27日に関市議会の文教経済委員会は、1日目の審査を終了しました。

関学校給食センターの調理業務の民間委託方針にかかわって、現在直営の同センター調理員の人件費総額を再確認したところ、

1億4408万3千円(平成24年度決算額)

であることがわかりました。

一方、これを民間委託にした場合の人件費は、

1億3500万円

と計算しているそうです。つまり人件費は差し引き900万円の減ということになります。

これに消耗品費や支払手数料などの経費を加え、業務委託の1年分の上限額を

1億4400万円

に設定したとのこと。二転三転しましたが、これが市当局の最終的な答弁です。

この民間委託は、やはりメリットがありません。


 

民間への業務委託費が年1億4400万円

そのうち、人件費が1億3500万円

消耗品などの必要経費が900万円

これで事業者の利益はどこからでてくるのでしょうか。自治体なら利益を求めませんが、民間事業者がタダで仕事をしてくれるはずがありません。

どう考えても「人件費1億3500万円」の中に利益が隠されているということになります。そこで、

「受託事業者の得る利益は、『人件費』の中に含まれているということですね?」

と質問をしましたが、答えられないようでした。委託費の中で受託事業者がどんなふうにどれだけの利益を取るかはわからないという答弁なのです。それはそうだと思いますが、「事業者の利益は人件費1億3500万円の範囲内に含まれている」ということぐらいのことは、言ってもよさそうなものです。

質問の仕方を変えてみました。

Q:「市の調理員で臨時職員の時給はいくらですか。民間のパート職員の時給はいくらで計算したのですか。」

A:「市の臨時職員(調理員の場合)の時給は820円と記憶しています。民間のパートの時給は900円として計算しました。」

Q:「なぜ、民間パートの時給を市の臨時職員の時給より高くしたのですか。」

A:「そのくらいが適当ではないかと考えたということです。なぜ適当かと言われると、それは何とも・・・。」

これは私の記憶で書いていますので、正確な記録ではありませんが、おおむねこういうやりとりだったと思います。

民間事業者が雇用するパート職員の賃金は、実際には時給900円にはならないということです。

言い換えれば、賃金を低く抑えるほど事業者の利益は増すのですから、時給は削れるだけ削られるでしょう。保障されているのは岐阜県の最低賃金の時給713円(次の改定で724円になる予定)を下回ることはないということだけです。

昨日の委員会の休憩時間、ある議員が言われるには、

「さわたりさん、民間は1億円でできる。事業者はかなり儲かると思うよ。」

民間委託の場合の人件費は1億円でまかなえるということを言われるのです。

そんなものかと思い試算してみました。市の答弁を基に、民間事業者が「12人の正職員と48人のパート」を使うと仮定し、パート職員は1人当たり1日7時間で年間200日とし、最低時給で雇えば

724円×7時間×200日×48人=48652800円

パートの人件費をおよそ5千万円でまかうことができるわけです。のこり12人の正職員の給料を5千万円でまかなえば、なるほど合計1億円です。民間事業者がこの仕事を、1億4400万円で請け負えば、諸経費900万円を差し引いても「かなり儲かる」ということです。

こんなふうにして「人件費」の中に、民間の請負事業者の利益が見込まれています。

「民間委託の場合の人件費は1億3千5百万円」という言い方は正しくありません。

正しくは「事業者の利益と人件費をあわせて1億3千5百万円」なのです。


子どもたちの毎日の食事をつくる学校給食センターの調理業務は、責任の重い大切な仕事です。民間委託は、その仕事を、細切れの仕事にして、安いパート労働中心に置き換えるということです。それは、労働の質を変える「効率優先」の「構造改革」です。そんなやり方で学校給食がよくなるはずがありません。

民間委託は、行政経費の節約(ムダの削減)になりません。節約に見える金額は、大切なものを犠牲にしていることを隠した、まやかしの金額です。とても引き合いません。

公務労働の民間委託は、特定の民間事業者に利益を与えることになります。本来、子どもたちのための学校給食で、誰かが特別に儲かっては困るのです。そういうことを避けるために、公務員が存在します。「民間でできることは民間に」という、今となっては嘘くさいスローガンを、市当局は未だに繰り返し口にしていますが、それは、あまりにも粗雑な論理です。「公務員でできないことは民間に」という、本来の道筋に立ち返らなければならいと思います。

同時に、関市の考える学校給食センター調理業務の民間委託は、はたらく人に低賃金・不安定雇用をもたらすこともはっきりしました。これは、民間事業者が悪いということではなく、今の労働法制や国の労働政策の枠組みがもたらす結果です。

こんな民間委託は願い下げです。


さわたり通信の関連ページ

*関市の学校給食センター調理業務の民間委託や最低賃金については、下記の記事でも触れています。

御答弁は「誤答弁」だった!  2013年9月26日

学校給食は直営がよい  2013年9月23日

関市議会定例会がはじまりました  2013年9月10日

時給を引き下げる民間委託  2013年8月17日

米国では「時給1500円」が焦点  2013年8月4日

身体にいいもの  2013年6月6日


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